前提を疑う事で成功した企業とその事例【ラテラルシンキング】
皆様こんにちは
コミュニケーションを円滑に進める為には【前提条件】を擦り合わせる事が必要、と他記事でしつこく書きました。
業務に於いても例えば、顧客側に立つ営業と技術/開発(設計やSE、PG)では
【重要顧客の要望を仕様に盛り込んで欲しい】
という営業側の要望に対し、技術/開発側からのコンセンサスが得られず衝突する、という事が起こります。それは
・一般的なルール
・常識
・慣例/慣習
・社内/部署ルール
・業界ルール/習慣
・社内規則
・上層部の意見
・本人の価値観や思い込み
等々から形成される前提条件が、双方で異なる事から起こってしまいます。
前提条件を理解する事は【相手の立場を考える説得型コミュニケーション】のスタートラインで有り、実践し磨き続ける事で、水平思考(ラテラル思考)を養う事ができます。
水平思考とは、ラテラルシンキング、とも呼ばれます。
一言で表すと、固定概念を捨て、様々な視点で事象を捉え考える思考方法の事です。固定概念、即ち前提条件とも置き換えれるかもしれません。
水平思考で前提を前向きに疑い続けた結果、ついには世界の常識を打ち破り、イノベーションを生むことも珍しくはありません。というか私達の身の回りにごまんと溢れています。
1.Apple
前提:
・携帯電話は物理ボタンを配するのが当たり前
・ネットはパソコン等の端末で行う事が主流
・携帯電話の主な役割は電話やテキストメッセージを行うもの
・音楽はMP3プレーヤー等の音楽端末で聴くもの
等々の前提を疑い、タッチスクリーンによる直感的な操作を行うことができ、PC感覚でネットブラウジングが行え、アプリケーションをダウンロードする事で情報端末としての拡張性を持たせ、音楽を気軽に楽しむことができるiPhoneを生み出した。
前提:
- パソコンはビジネスや一部コアなユーザーの物である
- パソコンは操作が難しい
- パソコンはそもそも一般家庭には無用の長物である
- ネット環境は限定的、一般家庭にまで普及させるのは難しいだろう
等々の前提を疑い、Windows 95という一般コンシューマ向けのOSを開発、昨今のパソコンに対するイメージを築き上げた。
前提:
・カミソリの刃を薄く作る事は技術的に困難
・カミソリの刃と柄の部分は一体型であること
等々の前提を疑い、皮膚を傷つけにくい安全なT字型2枚刃カミソリの開発、また替え刃により、顧客の囲い込みを行うビジネスモデルを生み出した
4.セブンイレブン(セブンアンドアイ)
前提:
・本格的なコーヒーは喫茶店やカフェで飲むもの
・本格的なコーヒーは高い
・コンビニで提供できるコーヒーは缶やペットボトル
等々前提を疑う事で、100円で本格的な出来たてコーヒーを提供し、爆発的なヒットとなった。また、他社も追随するという新たなビジネスチャンスを生んだ。
5.SONY
前提:
・音楽を聴くには大きな音響機器が必要
・音楽は室内で楽しむもの
等々前提を疑う事で、音楽を外へ持ち運びができ、一人で音楽を聴く事ができるウォークマンを生み出した。
6.トヨタ
前提:
・部品在庫が不足にならないよう、ある程度余剰に準備しておかなければならない
という前提を疑う事で、必要な物を必要量だけ供給するかんばん方式を生み出した。
他にも電子マネーやLINEであったり、メガネ業界や羽の無い扇風機、LCC等々、、、そういったラテラル思考で生み出されたビジネスアイディアは枚挙に暇がないです。前提を疑う、水平思考で物事を捉える事で、常識を打ち破る、イノベーションを生むことがお分かりいただけたと思います。
イノベーション!と風呂敷を大きく広げなくとも、個人の身の回りの問題で、この点についての前提は何だろう?と意識すると同時に、その前提でいいのだろうか?と前向きに疑う事で、コミュニケーションでの新たな一面が見えてきたり、業務改善点を発見したり、ひいてはビジネスチャンスが見えてくるかもしれません。